財団保有自己株式と40条申請 

財団保有の自己株式を、資産の入替えを目的として売却したとしても、40条申請が取り消されることはない 

東証による市場区分の変更に伴い、財団が保有する自社株式の取り扱い(6月15日付記事)についての続報です。

6月15日付記事の概要

相続対策として、企業オーナーの中には財団に自社株を寄付するケースをよく見かけます。

財団が保有する自社株式に関しては、これまで流通株式として取扱っていましたが、来年以降は固定株式に分類されることが決まっています。

場合によっては、財団に寄付した自社株を売却し、流通株式にする必要に迫られるケースが出てくると思われます。

その場合には、税金の取扱いがポイントになると思います。

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租税特別措置法40条とは

個人が、土地、建物、株式などの財産を法人に寄附した場合には、寄附時の時価により譲渡があったものとみなされて、これらの財産の取得時から寄附時までの値上がり益に対して所得税が課税(所法59①一)されます。

ただし、これらの財産を公益法人等に寄附した場合に、その寄附が一定の要件を満たすものとして、国税庁長官の承認を受けたときは、所得税を非課税とする制度(措法40①後段)があります。

財団保有の自社株式を売却すると承認の取り消しになる?

国税庁長官の承認を受けて、非課税として自社株を寄付することで、オーナーは相続財産から自社株式を除くことが可能になります。

一旦40条承認を受けている財団が、財団の基本財産である自社株を売却するのに問題はないのでしょうか?

売却した場合には、課税されていなかった譲渡益を納税する必要はないのでしょうか?

まとめ

以下の解釈によって、自社株式を売却しても、40条申請を継続できるようです。

要するに、みなし譲渡益課税が財団にはかからないとのことです。

とは言うものの、税務署からは事前に言質を取った方が安全だとは思います。

 

以下、抜粋。

「40条申請承認の取り消しについては、あくまでも寄付財産をその公益目的事業の用に直接供していないという事実によって取り消されるものであって、寄付財産が譲渡されたという事実によって取り消されるものではありません。」

「株式であれば、40条承認を受けて公益目的事業の用に2年以上直接供していれば、これを譲渡して他の株式や公社債及び投資信託の受益権を買替取得し、公益目的事業の用に直接供することによって40条承認を継続することが可能であるとされている」

(出所:『措置法40条1項後段適用を受ける寄付財産についての考察』荒木裕税務大学校研究部教授)

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