配当金の源泉徴収税率

本日は、発行企業があらかじめ差引く配当金の源泉徴収についての話題です。

株式保有比率に応じて2つの源泉徴収税率が(本則税率と軽減税率)適用される。
キャッシュフローと税金の計算は別物なので、区別して理解する必要がある。

配当金の源泉徴収

通常、私たちが受け取る給料は、給料日に会社が税金を源泉徴収し、残りの金額が我々に支払われます。
そして年末において、年末調整や確定申告で所得税が調整される仕組みになっています。
これは、配当金においても同じです。
一旦、企業が配当金支払時に税金を源泉徴収し、個人であれば年末、法人であれば決算時に所得を調整します。

源泉徴収税率の特例

通常、配当にかかる源泉徴収税率の本則は20%ですが、株式の保有比率によって特例措置が適用されています。
上場株式の保有比率が3%未満の場合、源泉徴収税率は20%から15%へ軽減されています。
「源泉徴収選択口座内の源泉徴収の特例」という制度を使うことで、上記の軽減税率と地方税分を合算した金額が源泉徴収され、確定申告が不要としています。
従って、源泉徴収税率は以下の計算になります。
源泉徴収税率(20.315%)= 15%(特例軽減税率)+15%×2.1%(復興特別税率)+5%(地方税)

保有比率3%以上に適用される源泉徴収税率

一方、保有比率が3%以上の個人大株主や、法人は、一旦上記本則の源泉徴収税率20%を適用し、源泉徴収された後、年末や決算時に税金を調整します
源泉徴収税率(20.42%)= 20%(源泉徴収本則税率)+15%×2.1%(復興特別税率)
ここでのポイントは地方税が含まれていないことです。

2つの源泉徴収税率

結果としての源泉徴収税率は、値が似通っているので混乱が生じますが、明確に異なります。
「源泉徴収選択口座内の源泉徴収の特例」を選択すれば、納税手続きは完了になりますが、3%超保有している場合には、地方税の納税手続きが完了していません。

上場企業株式を保有する資産管理会社の場合

資産管理会社で受取配当金をあてにして、不動産や運用商品を購入する場合がありますが、この場合に注意が必要です。
配当金の受取時は、一旦20.42%が源泉徴収された残りの金額が手取り金となり、決算時に還付を受けることになります。
例えば、配当金が100、益金不算入割合が50%の場合、税額計算では課税金額は以下となります。
(100 – 100×50%)×30%(法人税実効税率) = 15
源泉徴収で20.42が差引かれているので、15との差額である5.42が確定申告で還付されます。
上場企業の株式を3分の1超保有する資産管理会社は、受取配当金の益金不算入制度を活用することができますが、税額とキャッシュフローは別です。
受取配当金の益金不算入制度が使えると思って、配当金全額をあてにしていると、キャッシュフロー上は資金不足になることがあるから注意が必要です。

まとめ

源泉徴収制度は、本来税務署と納税者が行うべき手続きを簡素化する為に、発行会社に徴収義務者としての責任を負わせる制度です。
源泉徴収の考え方は、今回見てきたような通常の配当金だけでなく、配当とみなされるような自己株TOBの場合であっても同様です。
今回のように発行会社側の立場からこの制度を整理すると、混乱しなくても済むかもしれません。
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