インサイダー情報の取扱い

今回は、カーボン関連の幅広い製品を手掛ける東洋炭素(5310 東証1 時価総額630億円)の話題です。

出所:2021年9月24日 変更報告書No.18 森田純子
当該株券等に関する担保契約等重要な契約の変更
EDINET

概要

現在は経営と距離を置いている創業家 森田純子氏がインサイダーフリーでの株式売却を実施しました。

また新たに250千株を同じ手法で売却し資金化することを開示しました。

開示情報を見て思う事

森田氏は、平成28年に経営と所有の分離を事由に名誉会長を引退しています。

従って、インサイダーフリーでの売却にこだわる必要はないように思えますが、これもけじめなのでしょうか?

以前、6月22日の記事でやはりインサイダーフリーでの売却手法を紹介しました。

前回は、貸株契約と先渡し契約を組み合わせた手法でしたが、今回は貸株契約とオプション契約の組み合わせとのことです。

先渡し契約も広い意味でのオプション契約ですから、もしかしたら今回も先渡し契約かも知れませんが、詳細は開示されていません。

先日もインサイダーフリーでの売却手法として、株式処分信託を紹介しましたが、オーナーは保有株を資金化するのは一苦労です。

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インサイダー情報の取扱いについて

一般的に証券会社では、株式の売却注文を受注する際に、いわゆる「10%またぎ」を意識します。

10%またぎとは、「主要株主の異動」と関係があるからです。

総株主数の議決権の10%以上の議決権を保有している株主を主要株主といいます。

  • 主要株主であった者が主要株主でなくなる場合
  • 主要株主でなかった者が主要株主となる場合

主要株主の異動が生じた場合は、直ちにその内容を開示することが義務付けられています。

株式を売却する際に、10%を境として①の状況になると、証券会社がインサイダー情報を知ることになる為、証券会社は保有比率が10%以下になるような注文は受けないのです。

ちなみにオーナーが資産管理会社への株式移動の際、新たに資産管理会社の株式保有比率が10%以上となる場合、提出する報告は以下の通りです

  • 大量保有報告書(変更報告書) 財務局長宛
  • 適時開示 証券取引所宛
  • 臨時報告書 財務局長宛
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