財団への寄付

本日は、化学品販売、情報システムなど多角的な事業を展開する石川県の三谷産業(8285 東証1 時価総額235億円)の話題です。

一時、子会社がアビガンの原薬製造で話題になりましたので、記憶に残っている人がいるかもしれません。

公益財団への税制優遇を使う寄付には、租税特別措置法40条と70条の取扱いがある
出所
2021年7月20日 公益財団三谷研究開発支援財団 大量保有報告書
2021年5月25日  三谷充氏 変更報告書 No.30 「持株比率が1%以上増加したため」
2021年5月12日 三谷美智子氏 変更報告書No.3 「共同保有者の異動・・」

概要

同社会長の三谷充氏の母故三谷美智子氏のご逝去に伴い、2,000千株(約7.5億円相当)が公益財団へ寄付されました。

財団の大量保有報告書 

今回、美智子氏の死亡に伴う寄付により、財団が初めて保有株数5%超となったことから、7月20日に大量保有報告書が提出されました。

今回の大量保有報告書を見ると、過去にも一度だけ2,000千株を寄付しているようですが、当時は5%以下でしたので、公開されていません。

公益財団への寄付について

公益財団へ税制優遇を利用して寄付する方法としては、以下の2つがあります。

租税特別措置法40条:寄付する際、譲渡益課税は非課税となる

租税特別措置法70条:一旦相続した人が、寄付することにより相続財産から除かれる

変更報告書には、「相続」としか記載されていませんので、今回は、どちらを選択したのでしょうか?

遺贈は40条の扱い、遺産分割協議は70条の扱い

美智子氏の遺贈によって株式が寄付されたのか、遺産分割協議後に株式を相続した人が、財団に寄付したのかを探るには、過去の変更報告書を遡る必要があります。

過去の変更報告書を見ると、充氏を含めて相続人が2,000千株の株式を相続した形跡はなかったことから、遺贈による寄付であると推測されます。

5月25日の充氏から提出された変更報告書からは、505千株だけ相続したことになっていることからも遺贈が裏付けられます。

従って、租税特別措置法40条を使った遺贈による寄付であると推測されます。

まとめ

遺贈による寄付は、被相続人が死亡した後で寄付されるので、一見すると70条の取扱いに思えます。

しかし、被相続人が生前に遺言を書く行為が遺贈ですので、40条としての取扱いが妥当です。

遺産分割協議を経る手間を考えると、一般的には公益財団への寄付は遺贈で行われているのも頷けます。

 

 

 

 

最新情報をチェックしよう!

企業オーナーの最新記事8件