事業承継型MBOのその後

今日は、中古車やバイク等のネットオークションを運営する株式会社オークネット(3964 東証1 時価総額537億円)の話題です。

出所:2021年8月17日 変更報告書No.2 フレックスコーポレーション株式会社 
株券等保有割合が1%以上減少したこと 
EDINET

概要

創業家の資産管理会社であるフレックスコーポレーションが、250千株(約350百万円相当)を市場内外で売却した内容です。

同社のこれまでの経緯

2008年にMBOを実施し、2017年に再上場しています。

2008年当時のMBO

メインバンクからの全面的支援を受けて下記参加者にて実施。

前代表の資産管理会社:37%、現会長:6%、PEその他:57%

資金調達方法:みずほ銀行181億円、上記参加者57億円

再上場(2017年)後の現在株主構成

前代表の資産管理会社:46%、現会長(+親族?):13%、その他一般投資家:41%

開示情報を見て思う事①

2008年のMBOは、資金調達先としてのメインバンクに加えて、系列のPEや金融会社を総動員しており、まさにメインバンクとの二人三脚で実施されたことが窺えます。

2017年に再上場し、現在の時価総額は500億円を超えていることから、MBO本来の目的である新たな事業展開に関して順調に進んだと評価できます。

開示情報を見て思う事②

一方で、副次産的な目的である事業承継に関しては、次世代への承継が想定していた程には進んでいなかったのではないかと推測します。

現在の1位株主(保有比率43%)であるフレックスコーポレーションは、前代表の奥様が社長を務めていることが開示資料からわかります。

厳密には、2008年当時の社名とは微妙に異なるので、推測になりますが、いまだに前代表ファミリーが株式の大半(46%)を保有していると思われます。

前代表の弟である現会長の保有株比率(13%)は2008年当時とほとんど変わっていません。

まとめ

事業承継の観点からは、MBOによって相続税評価額を低く抑え、再上場を果たすまでの期間に、次の世代に株式をバトンタッチするというのが通例です。

本件は、兄から弟へ会社の経営が移行したことで、MBO本来の目的であるビジネス拡大には成功したものの、どうやら株式の移行は行われていなかったように推測されます。

恐らくMBOを実施する際に、資産承継(株式の移行)に関して、兄弟間で合意出来ていなかったのかも知れません。

前代表は既にお亡くなりになっているようですから、今後、親戚同士、前代表ファミリーと現経営陣ファミリーとの間に株式を巡っていさかいが起こらなければいいのですが。

ここ数か月は、市場区分変更の流れもあり、前代表ファミリーが保有している、いわゆる固定株の取扱いの問題もあると思います。

同社の今後の動きから目が離せなくなりそうです。

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