株式譲渡契約を用いた資産管理会社への株式移動

名古屋の中古車販売大手 株式会社ネクステージ(3186 東証1 時価総額1,731億円)の代表取締役社長 広田氏の話題です。

今回、彼は株式譲渡(予約権)契約を活用し、資産管理会社へ株式を移動させました。

株式譲渡(予約権)契約は、個人間での株式の移動に用いられるのが一般的であるが、個人から資産管理会社への移動にも活用することがある。
出所:2021年7月16日 株式会社ネクステージ 広田氏
変更報告書No.17 「担保契約等重要な契約の変更」
「単体株券等保有割合の1%以上の増加および減少」
EDINET https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

概要

広田氏は、自分の資産管理会社である株式会社SMNに3,100千株(3.88% 約50億円)を移動させました。
株式移動は、6月15日付で締結した3,100千株の株式譲渡(予約)契約(受渡予定期間:7月1日~31日)で決済が完了した。

株式保有比率の3分の1超へ

資産管理会社である(株)SMNの持株比率を31.52%から35.39%へ引き上げることで、配当金にかかる課税関係を全額益金不算入にする目的であったと推測されます。
これが目的ならば、通常の株式の移動ではなく、なぜ株式譲渡契約を締結したか疑問が残ります。

推測ですが

上場企業オーナーにとって、自社株を移動させる時の最大のハードルは、インサイダー取引に該当することです。
一般的に、決算発表後の10日前後がインサイダーフリーの期間とされております。
同社の場合、中間決算の5月、決算発表が6月中旬であることを考慮すると、広田氏と資産管理会社の間で締結された譲渡(先渡し)契約日、6月15日というのは、インサイダーフリー期間中だと推測できます。
これも勝手な推測ですが、広田氏は早く株式を資産管理会社に移動させたかったのですが、資産管理会社側で購入資金の手当てが間に合わなかったのではないでしょうか?
そこで、インサイダーフリー期間中に、先日付での株式譲渡契約を締結し、情報を開示することで時間を稼いだのではないでしょうか。
後は、資産管理会社側で株式購入代わり金の手当てが出来た、7月中に株券を移管したのだと推測します。

まとめ

株式譲渡(予約権)契約は、通常、オーナーが役職員に対して株式を譲渡する時に活用されます。
今回のように、資産管理会社に譲渡する時に活用されるのは、あまり目にしたことはありません。
何か理由があったのかも知れませんが、インサイダーフリー期間にどうしても資産管理会社に株式を移動させたかったのでしょうね。
資金を用意した三菱UFJ銀行も50億円の融資ですから、移管の話を聞かされた時は、焦ったでしょうね。
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