変更報告書の提出タイミング

本日はマネックスグループの松本大氏による変更報告書を使いながら、変更報告書の内容を読み解く際に、分かりにくい点を紹介します。

「1%の増減」の元になる保有株数は、前回変更報告書を提出した時点での株数である
出所:マネックスグループ株式会社 松本大氏 
2021年7月6日 変更報告書No.8 担保契約等重要な契約の変更
2020年6月22日 変更報告書No.7 担保契約等重要な契約の変更

EDINET https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

内容

松本氏の資産管理会社である(株)松本が、保有するマネックスグループ株式を、借入の担保としてこれまでみずほ銀行に差し入れていたが、この度、新生銀行に変更したという内容。

気がついた点

借入の担保に関して、差入れ先を変更すること自体は珍しい事ではありません。
気になったのは、共同保有者の松本氏個人の保有比率が微妙(0.01%)に増加していることでした。
上場企業の株式を5%超保有している株主は、保有比率が1%以上増減する場合には、変更報告書を提出しなければなりません
今回は、1%に満たない保有比率の増加ですから、保有比率の増減を事由に、変更報告書の提出は必要ありません。
気になったので、前回(No.7)の変更報告書をチェックしました。
前回の変更報告書では、(株)松本と松本氏がそれぞれ1%未満の保有比率の増加がありました。

変更報告書の提出タイミング

前述の通り、上場企業の株式を5%超保有している株主は、保有比率の増減が1%未満であれば、変更報告書を提出する必要はありません。
ただ、注意しなければならないことがあります。
例えば、0.95%しか株式を売却していなかったとしても、その後増資をした結果、保有比率が1%以上減少することが起こり得ます。
本人に起因するものではありませんが、その時点で変更報告書を提出する必要が生じます。
では、どのタイミングで変更報告書を提出するのでしょうか
本来は、増資のタイミングで提出するのが正しい手順です。
でも運営上は、資の時に提出せず、他の提出事由が生じた時に提出すればいいことになっています

まとめ

変更報告書の提出のタイミングが、必ずしも実際に1%以上の増減があった時点である必要がないケースをみてきました。
今回は、担保契約締結が理由で変更報告書が提出され、提出時点での保有株数が、次回の提出事由のスタート台となります
今回の事例とは関係ありませんが、仮に意図的に0.95%づつ株式を売却して、その都度、担保設定を変更すれば、株式保有比率のスタート台が、その都度更新されていきます。
その結果、いつまで経っても1%以上増減することを事由とする、変更報告書は提出しなくてもいいことになります
こんな事を考えて実際に実行する人はいないと思いますが、悪用しようと思えばできてしまう状況はあまり好ましいとは言えない気がします。
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