ESOP(従業員による株式取得計画)②

今回は、店舗数では国内1位のホームセンター、コメリ(8218 東証1 時価総額1,430億円)がESOPを導入した話題です。

出所:2021年10月26日 株式会社コメリ
株式給付信託(従業員持株会処分型)の導入に関するお知らせ
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概要

ESOP(Employee Stock Ownership Plan)とは、信託を通じた従業員持株制度の事です。

コメリは信託銀行と信託契約を締結し、保有する自己株式 約15億円相当を信託口座に売却。

信託銀行は、株式購入資金を金融機関からの融資で賄います。

信託で保有する株式は、今後5年間、従業員持株会が毎月積み立てている資金で購入していきます。

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開示情報を見て思う事①

ESOPは、発行体が自社株を保有している場合、その出口戦略として用いられます。

一旦、信託という器で引受けしますが、この器は自社株を取得する資金がないので、金融機関から融資を受けます。

この器には信用がないので、通常発行体がこの融資を保証します。

返済原資は、従業員持株会にて毎月積み立てている資金です。

この際、気になるのは取得簿価です。

従業員持株会は、毎月その時の時価で株式を買取りますが、ESOPの場合には、あらかじめ信託で購入した際の価格が取得簿価になります。

当然、持株会が取得する際の時価と簿価には差が出る為、譲渡益や譲渡損が計上されることになります。

譲渡益が発生した場合には、従業員持株会に還元し、譲渡損が発生した場合には、発行体がその分を被るというのがこの制度のミソであり、インセンティブプランといわれる所以です。

開示情報を見て思う事②

ESOPは、発行体にもメリットがあります。

インセンティブプランとしての魅力に加えて、仮に自己株式を外部で売却することになった場合、株式の希薄化が進み株価が下落する可能性があります。

一方で、従業員持株会の拠出金が少ないと、金融機関が融資するメリットが少なくなるので、それなりの規模の株式が必要となります。

通常、年間で2億円程度(5年間分で10億円相当)の拠出金がないと金融機関は融資を引受けないと言われています。

例えば、従業員が1,000人、1人当たり月2万円天引きとすると、年間で2億円となりますから、なかなかハードルは高いことがおわかり頂けると思います。

こうした背景もあり、またインセンティブプランも多様化が進んでいるので、ESOPの取扱件数もさほど多くはありません。

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