サラブレッドは、走る芸術品と言われます。
北島三郎氏や大魔神こと佐々木主浩氏のようにその魅力に引き込まれ、馬主となる資産家は後を絶ちません。
馬主が金持ちのステータスシンボルであることや、減価償却等の税務効果もあることから、果実を得ながら一獲千金を狙うことが出来る側面もあります。
そこで、今回は投資対象としての競走馬に着目してみようと思います。
競走馬の世界
1頭あたりの取得価格は、古いデータですが、2009年オークションの平均価格は0歳で2,000万円強です。
競走馬として登録する場合には、必ず厩舎に預けなければなりません。
現在、約8,000頭強の競走馬が日本全国で登録されています。
気になるランニングコストは、大体600,000円~800,000円/月が相場と言われていますので、年間で10百万円前後かかる計算です。
一方、レースで実際に馬主に収益をもたらす競走馬の割合は、約12%と言われていますので、ランニングコストを負担しながら儲けるのは、結構大変です。
確実に収益を積み上げるよりも、かなりギャンブル的な要素が強い投資対象であることは間違いありません。
競走馬の税務的側面
個人で所有する場合と、法人で所有する場合があります。
個人の場合、登録を受けている競走馬の頭数や出走回数等の条件によって、事業所得か雑所得に区分されます。
ちなみに一口馬主は、雑所得となります。
雑所得よりも事業所得の方が、損益通算等の対応が柔軟ですので、事業所得と認定されることを目指すケースが多くなります。
法人の場合、こうした条件はありません。
競走馬の減価償却
2歳4か月(あるいは、1歳9か月)から4年間、また繫殖馬の場合には6年間の定額償却となります。
ちなみにディープインパクトの場合は以下の通りとなります。
当初取得価格は、70百万円
単年度の償却は、70百万円÷4年間=17.5百万円
引退後の種牡馬価格は、51億円なので、51億円÷6年間=8.5億円
馬主条件とは
日本競馬会(JRA)の馬主には誰でもなれる訳ではなく、ある程度の収入や資産背景が必要となります。
JRAの個人馬主の主な条件は以下の通りです。
- 継続的に得られる見込みのある所得金額が過去2か年でいずれも1,700万円以上(一時的な所得は含まず)
- 資産の額が7,500万円以上。資産に含まれるのは、本人名義の不動産、預貯金、有価証券