出典 本間宗久翁秘録を読む 青野豊作 東洋経済新報社
目次
三つの相場禅
2.機に乗ずるに勇
9.一統騒立(いちどうさわぎたつ)節は、人々西へ走らば我は東に向ふ時、極めて利運なり
・『機に乗ずるに勇』
相場の陰陽の道理を常に念頭に置いて相場に対処し、さらに相場の転換点をいち早くつかむことが大切だが、それには何よりも勇気をもって行動することが求められる
10.存念は決して人に語るべからず、是、大極意なり
・人に売買を勧めず、人相場を論ぜず
自分の相場観と売買方針を周囲の人々に語ることは、下手をすると恨みを買うこと、また損得の面から考えても愚かなこと
ただし、そのことと相場予測に不可欠な各種の材料や情報を集める際に周囲の人々の協力を求めることとは別段に考えなければならない
・相場師のタブー、5つの心得
1. どんなに親しい人に対しても、決して帳合米の売買を勧めてはならない
2. 自分の相場観、売買方針を語ることは無用のこと
3. たまたま自分の相場観があたると周囲に語ることは愚かな行為である
4. 損得の面からも自分の相場観と売買方針を語ることは決して利口なことではない
5. 相場予測に必要不可欠な情報を収集する際に多くの人に協力を求めることとは分けて考える
・相場師は常に真の自由人であれ
自分の相場観を周囲の人々に語り、吹聴していたがために相場が激変したときに柔軟に対応できなくなることになりがち
自分の相場観の誤りを認める代わりに相場が狂っていると強弁しがちである
相場が転換期を迎えた時には火中へ飛び込む勇気、海中に飛び込む勇気をもって人々と反対の方向に向かって走る事である
これは何ものにも縛られない、真の自由人にしてはじめてなしうることである