「本間宗久翁秘禄を読む」青野豊作著 感想文⑥

出典 本間宗久翁秘録を読む 青野豊作 東洋経済新報社

三つの相場禅

3.気を転ずるに智

相場が天井圏あるいは大底局面にある時は市場人気もどちらか一方に大きく偏るのが常だから、そうした時こそ付和雷同せず、気持ちを切り替えて市場の人気とは反対の行動に出る事にある

11.来月上げと見定むる時は、唯(ただ)買場を待つべし

・本間宗久流、買いの基本と極意

相場の陰陽の道理を正しく理解したうえで、目前の相場が天井圏、中値、底値圏のいずれに位置するかを見定めること

相場の底値を狙い撃ちするやり方で買い出動し、逆もしかりである

この場合も逸る気持ちを抑えて辛抱強く時機のくるのをまつべき

勝ち急ぐあまりに時期を見定めずに飛び出してはならない

・まふはまだなり、まだはまふなり、と云うことあり

・買遅るる時は、唯買場を待つべし

相場の天井値と底値を見定め、さらに商内を仕掛ける際には慎重の上にも慎重を期す必要があるものの、かといって慎重にすぎると商機を逃しやすい

この難問に対する答えは次の二つの相場兵法をもって対処すべき

慎重を期すことは逡巡することではなく、底値圏と見定めた時は、リスクを恐れずに買い出動することが大切 

荒れ狂う海の中に飛び込むくらいの勇気、大胆さをもって臨まねばならない

相場は上昇トレンドに転じてもいっきに大幅上昇をみるのでなく、必ず一進一退の動きを繰り返す 買いそびれた場合には冷静に次の押し目場面を待つことが大切

12.不利運の時、売平均買平均決してせざるものなり

・難平(なんぴん)商内は厳禁と知れ

見込み違いで評価損となった場合には、直ちに損切りして手仕舞い、四、五十日くらい休むこと 

手仕舞いして休まず、そのまま商内を続けると最終の決済期日を迎えた時に必ず欠損勘定となるだけでなく、下手をすると再起不能の状況へ追い込まれかねない

・難平戦法とその問題点

難平買い下がり戦法

投資額が評価損分だけ減少することと自分の相場観が間違っていたことを認めることを嫌うから、代わりに別の理由を探し出して損切りを先延ばしする 

かくして難平買い下がり戦法を選択することになる 

結局は傷口を大きくするという結果になる 

上昇に転ずるまで買い増し続けないと本来の目的を達成できないので、資金によほどの余裕がないとできない 

よほど図太い神経の持ち主でないと本来の目的を達成できない 

例外なく途中で挫折する

難平売り上がり戦法もしかりである

・相場に逆らうこと宜しからず、慎むべし

難平戦法は、自分の相場観と売買方針が相場と逆行するものがあったがために必要とされたもの 

難平という行為そのものも相場の流れ、トレンドに逆行するもの 

これではうまくいくはずがない

見込み違いが明らかになった時は、我意を通さずに素直に自分の間違いを認め、さらに気持ちを切り替えて、心機一転して出直す

それには『智』、物事の善悪を的確に判断しうるだけの智慧を身につけることが肝要としている

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