本日は、三井不動産による東京ドーム買収を手掛けた、独立系M&AアドバイザリーファームのGCA代表取締役渡辺氏が、一般法人と株式貸借契約を締結した内容を紹介します。
内容
渡辺氏は、FCBI合同会社との間に800,000株の株式貸借契約を提携し貸出したというもの
株式貸借契約
一般的に、株式貸借契約(貸株契約)は、空売りのために株式の売り手が、株式を借り受ける契約を指します。
通常、日本証券金融や証券会社が、株式の出し手より株券を借受け、売り方に株式を融通します。
株式の出し手は、貸株を行う代わりに品貸料という金利収入を得ることができます。
本件において、渡辺氏は、合同会社に対して自社株を貸す契約を締結しましたが、合同会社を相手にするのはかなり珍しい事例です。
推測するに
貸株(借株)は空売りという行為が関係した取引ですから、通常は株価の下落要因と考えられています。
一方で、市場の流動性を確保する為に、こうした貸借取引が必要とされている事実もあります。
株価の下落要因と考えられているので、発行会社の関係者が貸株することは、一般的ではありませんし、一般法人が相手となると何が目的だったのでしょうか。
貸株契約は、消費貸借契約なので、借受けた側は同種・同量の株式を返還すればいいことになります。
となるとFCBI合同会社の一時的な資金調達を目的とした貸株の可能性があります。
さらなる謎が
変更報告書には、本来であれば書く義務がないのですが、次の文言が記載されています。
「なお、提出者は発行会社が東京証券取引所へ新規上場してから当該株券を一株も売却しておりません。」
これは、どういう意味なのでしょうか?
合同会社と渡辺氏との関係はわかりませんが、あたかも合同会社が自社株を借りて売ったとしても、自分は売っていないと言っているように聞こえなくもないですが、真実はどうなんでしょうか?
このコメントが更なる疑問を投げかけてきました。