資産管理会社から個人への株式譲渡

今回は、京都の電子機器メーカーの不二電機工業株式会社(6654 東証1 時価総額85億円)の話題です。

出所:2021年8月6日 不二電機工業株式会社 
藤本順子氏 「株券等保有割合の1%以上の減少 共同保有者の減少 単体株券等保有割合の1%以上の増減」
藤本豊士氏 「株券等保有割合が1%以上増加したこと」
EDINET https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

概要

創業家である藤本ファミリーの資産管理会社「有限会社藤本興産」が保有している、不二電機工業の株式全株を、ご兄弟と推測される、順子氏と豊士氏に売却し、結果として有限会社藤本興産は、共同保有者から外れることになりました。

開示情報を見て思う事①

通常は、個人が保有する株式を資産管理会社に譲渡するのですが、今回はその逆です。

恐らく、資産管理会社に移すときに税金を払っているはずですから、また税金を払うのは何とももったいない話です。

どういう背景があったのでしょうか?

既に不二電機工業の経営陣には、創業ファミリーである藤本氏の名前はないので、推測ですが、先代がご逝去した際に、株式だけがファミリーに引き継がれたのでしょう

結果として、株式はご兄弟に分散し、また資産管理会社である有限会社藤本興産も、複数名株主が存在しているようですので、ここで一旦、きちんと整理しようということでしょうか?

開示情報を見て思う事②

今回のケースでは、資産管理会社を設立したにもかかわらず、結果としてはその機能を十分生かすことが出来なかったように思われます

金融機関は、融資の機会が見込めますし、オーナーからすれば税務上のメリットが享受できる可能性があるので、簡単に資産管理会社を設立する傾向があります。

藤本家の資産管理会社設立の経緯は、全くわかりませんので推測ですが、後継者や株式の保有者について青写真が出来上がった後であれば、今回のような顛末にはならなかったかもしれません。

ファミリーに事業承継への関心がない場合などは、逆に株式を承継して困ってしまう場合もあります。

資産管理会社を設立する場合には、慎重に検討することも必要かもしれません。

 

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