非上場の親会社等の決算開示

今回は、プリントシール機シェアでは90%と言われているフリュー株式会社(6238 東証1 時価総額475億円)の話題です。

出所:変更報告書No.4 フリュー株式会社 田坂氏 
単体株券等保有割合の1%以上の増減 担保契約等重要な契約に変更があったこと
EDINET

概要

田坂氏が保有している同社株式1,040千株(3.68% 約15億円)を、親族が出資している資産管理会社である風流商事に譲渡しました。

開示情報を見て思う事①

今回、株式の移動比率に注目してみます。

田坂氏個人の保有比率は、7.53%から3.85%へ

資産管理会社風流商事の保有比率は、10.6%から14.28%へ

個人の保有比率だけを考えるのであれば、どうして保有比率を3%未満にしなかったのでしょうか?

3%未満であれば、配当金への課税は20%で完結するからです。

では、3%未満とするために、追加で0.86%を譲渡したとすると、今度は資産管理会社側に影響が出ます。

追加譲渡後の風流商事の保有比率は、15.14%となります

議決権比率が15%以上20%未満は、いわゆる関連会社判定のグレーゾーンと言われているので、風流商事がフリューの関連会社(=親会社)と認定される可能性があるからです。

親会社と認定されれば、風流商事は決算内容を開示しなければならないので、彼らからすればあまり好ましい事ではないと思われます。

非上場会社の親会社等の開示

東証のルールによって、上場企業株式の議決権比率20%以上保有している非上場企業は、その決算内容を開示しなければなりません。

さらに、議決権比率が15%以上20%未満の場合には、人事、取引、資金等の実質的な関係に基づき、監査法人や会計士の判断で関連会社か否かの判定が行われます。

いわゆるヒト、モノ、カネで重要な影響を与えていないことが明らかであれば、監査法人、会計士の判断で関連会社ではないとすることになっています。

開示情報を見て思う事②

一方で、風流商事の事業内容は、有価証券の管理と運用と記載されているので、そもそも決算内容を開示する必要はないという見方も出来ます。

それであれば、風流商事で何らかの資金ニーズが発生したことから、単に個人から株式を移動させただけかもしれません。

今回の変更報告書を見ると、野村信託銀行があらたに1,550千株に対して、担保を設定したことが記載されています。

推測ですが、風流商事では、野村信託からの融資金で、これから不動産でも購入するんですかね?

不動産を保有してしまうと、15%以上の保有比率となり、決算内容を開示せざるを得なくなりますから、今回は15%未満に抑えたのかもしれません。

あるいは、融資金でフリュー株式を買い増すかもしれないですね。

持株比率が3分の1超になれば、受取配当金が全額益金不算入することが出来ますので、こちらもメリットがあります。

まとめ

今回も開示情報に基づいて、自分がオーナーだったらどういう行動をとるかと考えてみました。

決算内容を開示してでも受取配当金の全額益金不算入を狙うことも出来ますし。

決算内容を開示せずに資産管理会社の保有資産を株式以外に分散させることで、相続税評価額の引き下げを狙うことも出来ます。

どちらも合理的な行動なので、本当の狙いはわかりませんが、情報が限られているだけに色々と想像が膨らみます。

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