ESOP(従業員による株式取得計画)

今回は、ESOP(Employee Stock Ownership Plan)を紹介します。

ESOP
東証での市場区分変更への対応を各社が進める中で、今回、株式会社ダスキンからESOPを導入することが開示されました。
ESOPは、企業の金庫株の出口戦略の一つ
市場区分における流通株式比率で、
・金庫株は固定株式
・ESOPは流通株式
・従業員持株会は、10%未満は流通株式、10%以上は、固定株式に区分される
出所 株式会社ダスキン 2021年6月23日
「従業員持株会信託型ESOP」の導入に関するお知らせ 
「従業員持株会信託型ESOP」の導入に伴う第三者割当による自己株式の処分に関するお知らせ

開示内容は?

ダスキンの取締役会において、ダスキングループの従業員持株会を活用したインセンティブプランとして、「従業員持株会信託型ESOP」を導入することを決議したという内容です。
従業員持株会が取得する株数は、659,100株(約17億円相当)です。

ESOPとは?

企業が自己保有している株式をどうするか?いわゆる金庫株ですが、事業承継に使うもよし、償却するもよし、市場で売却してもよしです。
ただ、市場で売却するとなると株価に影響が出るかもしれません。
そこで、信託を作り、そこで株式を買取り、従業員持株会は信託から株式を取得する仕組みを活用するのが、ESOPです。
要するに会社が抱えた金庫株を従業員持株会で引き取ってもらう仕組みの事です。
信託は会社から株式を買取る資金が必要となりますが、会社が支払いを保証した上で金融機関から借入します。

実務上のポイント

従業員持株会が、毎月信託から株式を取得する株価(時価)は、信託が会社から最初に拠出を受けた時の株価(簿価)とは異なります。
そこで会社では、その差額を資本勘定で調整します。

こんな試算も

ダスキンの場合、金融機関からの借入金は約17億円ですが、ここからこんな試算が出来ます。
例えば10年での返済期間を前提とした場合、年間で約2億円(利息込み)の返済になります。
毎月1人が平均して10,000円を積み立てるとすると、1人年間で120,000円になります。
逆算すると持株会で1,500人位が積み立てると、この制度が機能します。
金融機関からすると、会社が保証したとしたとしても、融資金をきちんと回収できるかどうか気になるところです。
従業員の持株会への加入比率は分かりませんが、今回は最低でも1,500人が積み立てるという前提でESOPが組み立てられたと推測できます。

流通株式との関係は?

東証の市場区分における株式の流通比率との関係はどうなるのでしょうか?
市場区分における流通株式比率で、金庫株は固定株式、ESOPは流通株式、
従業員持株会は、10%未満は流通株式、10%以上は、固定株式に区分される
ダスキンの場合には、従業員持株会の持株比率は3.27%ですので、流通株式に区分されます。
もともと流通株式比率には困っていないと思われますが、ESOPの分だけ流通株式比率が向上したことになります。
henro1
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