今回は、株式会社サイバーエージェント(4751 東証1 時価総額1兆円)の代表取締役社長藤田氏が自社株を売却した話題です。
変更報告書No.9 「株式等保有割合が百分の一以上減少したため」
EDINET https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/
概要
藤田氏は、自社株10千株(1.98%)を2,050円で売却しました。
売却資金は、約205億円(税引前)となり、保有株式が1%以上減少したことから公開情報となっています。
開示資料を見て思う事①
株式を売却した背景を探るために、適時開示資料も検索しましたが、特に開示されていません。
藤田氏は個人で自社株を20%弱保有していることから、流行りの市場区分変更を意識した売却かとも思いましたが、基準は十分クリアしているので、現実的ではないようです。
ただ、企業経営者が自社株を売るというのは、なかなか勇気のいることなので、売却の背景は気になります。
株価もコロナ前に比べて、ほぼ倍になっていますし、先日発表があった業績も絶好調ですから、自社株を売れたという事情はあったはずです。
開示資料を見て思う事②
開示資料から推測できることは、株式の売却は7月28日、終値が2,200円に対して、売却価格は2,050円です。
7%(150円)のディスカウントで市場外売却なので、ブロック取引ですかね。
そうは言っても200億円の売却です。
サイバーエージェントの主幹事は大和証券ですが、それなりに買い手を探せるとすると外資系の証券会社でしょうか?
まとめ
サイバーエージェントの状況を見ても、藤田氏の自社株売却は、単に保有株の流動化のように思えます。
しかし株価は、絶好調の業績にもかかわらず、大幅下落で応えました。
他に売りの材料が見当たらなかった中で、藤田氏の売却が株価下落の引き金を引いたと言われても仕方ありません。
中長期的には、株価は会社の業績を反映するので、上昇していくのでしょうが、何となく後味の悪い結果となってしまいました。
ただ個人的には、今回の200億円の行き先が気になります。
スタートアップ企業とか、コロナ禍で資金の流れが止まってしまった企業の再生への投資に向かうといいのですが・・・。