市場分析 【為替の決定要因】
為替レートの決定要因としては、
一般的に金利差、マネー供給量、経常収支、財政や通貨政策の違い、政治的なイベントなどが挙げられます。
これらの要因が単独、あるいは相互に作用して相場を形成しています。
これに加えて為替市場は、二か国の要因を考慮しなければならない為、動きを予想することがより難しいと言えます。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析
市場の動きを分析する時に、
大まかに分けてファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2つのアプローチがあると言われています。
為替市場を分析する際にもこれらのアプローチは有効です。
これら2つの手法は、
考え方が異なりますので、どちらか一方だけというよりも、両方を併用するという方が、バランスのとれた見方が出来ると思います。
一般的に、ファンダメンタルズ分析は、長期的なシナリオを立てるのに向いていると言われます。
一方、テクニカル分析は、短期的な売買タイミングをはかる為に使われることが多いようです。
相場を4つの切り口から分析する
私の場合、長期的なシナリオも短期の売買タイミングも、2つの分析方法を併用しながら、総合的に判断をしています。
ファンダメンタルズ分析の場合は、定量的なデータだけでなく、定性的な情報にも気を配ります。
最近では政治が及ぼす影響が大きくなっているので、定性的な情報も無視できません。
定量面では、2国間の金利差やマネー供給量、国際収支、失業率、インフレ率格差といったデータに注目しています。
これらのデータを使って自分なりのシナリオを組み立てて、相場のあるべき姿を考えます。
定性面では、米国大統領や金融当局者の発言、日銀総裁のコメント、実際の景況感を知るために企業経営者や消費者のコメントといった情報にも注目します。
これは、相場で今、起こっていること、つまり相場の実態を確認するために使います。
ファンダメンタルズ分析に加えて、チャートを用いてテクニカル分析を行います。
例えば直近から20年程度過去まで遡ったチャートを用いることで、相場の方向性を考えます。
さらに今の水準が割安なのか、割高なのか、あるいは売られすぎなのか買われすぎなのかといった視点から、相場の適正な水準を探っています。
テクニカル分析の目的:相場がどこに向かっているかを考え、本来あるべき水準を決める事
まとめ
為替相場は、決定要因が多く、しかも複雑に絡み合っているので、正確に予想することが非常に困難です。
だからこそ、様々な情報が飛び交い、アナリストと称する人たちが自説を戦わせることが出来るのです。
誰にも正解がわからないからこそ、人の意見に左右されない、自分の考えの軸が必要だと思います。
私も様々な専門書を読み、試行錯誤しながら自分が一番納得する方法を日々考えながら過ごしています。
私は、お客様に対して運用のアドバイスを行う立場ですので、自分の納得感を高めていくしかありません。
繰り返しになりますが、相場へのアプローチに正解はありません。
だからこそ、いつもまで経っても相場はやめられないのかも知れません。