区切り打ち4回目 歩き遍路3日目/7日 2016年5月23日(月)天気:晴れ コース:四国中央市三島から三好市池田町まで 歩行距離:33km 歩行時間:10時間 宿泊場所:民宿岡田
今日は、65番三角寺とその奥之院である仙龍寺(せんりゅうじ)を巡ります。特に仙龍寺は、私の中では四国八十八か所の中で一番好きなお寺さんです。奥まった場所にあるので、歩き遍路では結構大変ですが、行くだけの価値は十分あります。
目次
宿から65番三角寺(さんかくじ)まで

リブマックス伊予三島はビジネスホテルですが、6時30分からの朝食はバイキング形式で好きなものを選べます。

6時50分、出発です。JR伊予三島駅のコンコースを通って、山側に向かいます。

三角寺は平石山の中腹にあり、標高430mほど上ります。住宅街を抜けると一気に上り坂になります。

麓には伊予三島の街が広がっています。誰がこんなかわいい置物を遍路道に置いてくれたのでしょうか。

8時15分、三角寺に到着しました。まだ歩き始めたばかりなので元気ですが、ここまで結構上り道が続きますので、心の準備をお忘れなく。
65番三角寺(さんかくじ)

三角寺をもって伊予最後の霊場となりました。この時間にはまだ誰もいませんでしたが、安産、子育て祈願で有名なお寺で多くの人が訪れるそうです。

山の中腹に建っているので、深緑の中、静寂に包まれています。

寺名の由来ともなっている三角の池です。弘法大師が修行した際の三角形の護摩壇跡が池になったと伝えられています。
奥之院 仙龍寺(せんりゅうじ)までの道のり
三角寺を打ち終えた後、なかなか仙龍寺へと続く山越え遍路道の入口がわからず、周辺を探し回りました。

結局、入口がわからないまま、無難に林道を進みました。お遍路の道標もシールもないので、遍路道から逸れていることはわかっていましたが、結果として幾つかの分岐点を過ぎ、堀切峠を通る道を進んでいたようです。

山深い場所であったことからGPSも役に立たず、自分が一体どこを歩いているのか見当がつかない状態で1時間30分ほど歩いていたところ、ようやく視界が開けました。銅山川をせき止めて出来た人造湖の新宮ダム湖です。

ようやく自分のいる位置がわかり、不安から解き放たれたことから元気になりました。遠回りではありましたが、仙龍寺までもうすぐのところまで来ていました。仙龍寺までの山越えの遍路道は、険しい道と聞いていますので、もしかしたらこちらのルートは、悪天候時の、う回路として使えるかも知れません。期せずして通った道ですが、大半が舗装されてますし、車と最後まで一台もすれ違うことがないほどの静かな道ですので、安心して歩ける思います。
奥之院 仙龍寺(せんりゅうじ)
10時40分、三角寺を出てから2時間ほど彷徨いながら、ようやく目指す仙龍寺に到着です。
古い旅館のような造りをしていますが、かつては数百人が泊まれる大規模な宿坊でした(今は泊まれません)。

仙龍寺は、今では車で簡単にアクセスすることが出来ますが、かつては厳しい遍路道を歩いてこなければ参拝することが出来ませんでした。

納経はお寺の中で行いますので、靴を脱いで上がり、納経後は施設の他の場所も見ることが出来ます。

昭和以前にタイムスリップしたような気分になりますが、今でもチリ一つ落ちていないほど、奇麗に掃除が行き届いています。

かつては毎夜、数百人の参拝者によって、参籠(さんろう)が行われていた廊下からみた外の景色です。

トイレの手洗い所です。上流の清滝から流れる川の水を引いており、柄杓で水を汲み、手を清めます。

今回は通りませんでしたが、三角寺からの山越え遍路道を通ってくると、こういう感じで仙龍寺に到着するはずです。

こちらコンクリートで出来た土台は、昭和9年に竣工されたもので、今は建築基準法の関係で建て替えが出来ない為、希少な舞台造りの建築物となっています。裏山の木々と調和し、長い年月を経てきたことを感じさせてくれる、こんなに美しい建築物は他で見たことがないという位、素晴らしいお寺さんです。
仙龍寺から本日の宿 民宿岡田まで
すっかり仙龍寺が気に入ってしまい、時刻は、11時45分になっていました。次は別格札所の椿堂を目指します。

車もほとんど通らず、天候に恵まれた中、銅山川沿いの美しい景色を見ながら歩きます。

新宮ダムによって埋没した地区にあった小学校跡地の碑です。
別格札所 椿堂(つばきどう)

13時15分、別格札所である椿堂に到着です。

椿の大木があり、弘法大師が地域で流行していた病を封じ込めたという伝説があります。

本日の宿 民宿岡田

66番雲辺寺(うんぺんじ)を打つ前に、多くの歩き遍路が利用するという民宿岡田さんです。

歩き遍路にとっては、本当に程よい場所にこうして宿泊できる宿があるのは有難い話です。とにかくご主人が話好きな方で、お遍路の生き字引と言っても過言ではありません。人気のお宿ですので、早めに予約をお願いしないとなかなか泊めてもらえないかも知れません。
区切り打ち3日目を終えて
今回は、八十八か所札所霊場を巡るだけがお遍路ではないと、思い知らされた仙龍寺への参拝でした。今後は、時間と体力が許す限り、奥之院も併せて巡りたいと思います。四国は、奥之院だけでなく、別格霊場もあり、魅力に溢れた場所です。